お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

ダウン症・呼吸器機能障害・音声言語障害のある息子のお陰で、毎日を幸せに生きられるようになった学びと気づきを綴ります。

気道確保の手術が始まる

息子が生まれてからの物語41話目。

昨日の続き。

『息子の誕生』←ここからスタートしてます。

 

息子は7歳になり、 

養護学校に入学後、はじめての夏休み。

遂に口からの気道確保の手術を行うことに。

 

入院期間は1カ月程度の見込み。

長期間、学校を休むことになるので、

夏休み期間に手術をすることにした。

 

2003年8月6日、九州大学病院に入院。

 息子にとって人生最大の手術になる。

 

手術名は、喉頭載開術

気管の瘢痕(はんこん)切除を行う。

 

※瘢痕とは傷跡にできるカサブタのようなもの。

 

息子は首の下の方の気管を切開していて、

そこから上に向かって十文字に切開部分を広げ、

瘢痕化した気管の組織を切除し、

塞がった気管に空気の通り道をつくる。

 

息子は生後2カ月で、気道が塞がり7年が経つ。

 

「気管そのものが瘢痕化していて、

 気道を作れる状態かどうかは、

 切開してみないとわからない」 

 

と先生から言われている。 

 

 

8月11日朝8時、息子は手術室へ向かう。

 

息子はベッドに寝かされたまま移動するが、

何が起こるかわからず、必死の抵抗をする。

 

何するの!

イヤだー!

助けてー!

 

息子は声が出ないが、

そう叫んでいるように感じた。

 

ベッドに固定されて、

涙を流しながら全力で起き上がろうとするが、

ベルトでしばられ起き上がれない。

 

「しょうちゃん、

 手術したら、

 口から呼吸できるように

 なるんだよ。

 声が出せるように

 なるんだよ。

 もう少しの我慢だよ。

 頑張ってね」

 

手術室に向かいながら息子の手を握る。

私も妻も涙が止まらなかった。

 

 

息子が手術室に入った後、

私と妻は待合室へ。

 

広い待合室には、

30人ぐらいの患者の家族がいた。

みんな心配そうな表情をしている。

 

大学病院の手術なので、

みんな息子のような病気や障がいが

あるのだろうか?

 

私も妻も落ち着かない。

 

息子は、大丈夫だろうか?

 

どんな声だろうか?

 

同じ様なことを何度も繰り返したり、

無言になったりしながら、

時間が過ぎていく。

 

続く…。

  

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