お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

ダウン症・呼吸器機能障害・音声言語障害のある息子のお陰で、毎日を幸せに生きられるようになった学びと気づきを綴ります。

遂に終わった気道確保の手術

息子が生まれてからの物語42話目。

前回の続き。

『息子の誕生』←ここからスタートしてます。

 

息子の手術が無事終わるのを祈るように待つ。

待合室では手術が終わる度に、

スピーカーから家族が呼び出される

アナウンスがある。

 

お昼になり、呼び出しがあった。

 

「田中さんのご家族の方、

 手術室の前に

 お越しください」

 

期待と不安が入り交じった状態で、

妻と一緒に手術室近くの面談ルームへ。

 

先生の表情を見ると

数時間におよぶ手術で疲労が感じられた。

 

「手術はどうでしたか?」

 

私が尋ねると、

先生が手術の状況を詳しく説明してくれた。

 

・息子の気管の瘢痕化が想像以上だったこと。

・その瘢痕を除去して気道を確保できたこと。

・気管の瘢痕除去した部分には、

 皮膚移植の必要があり、

 唇の裏側の粘膜の移植をしたこと。

・気道をそのままにしておくと塞がるので、

 モールドというものを入れ

 気道が塞がらないようにしたこと。 

・声は当面出せないこと。

 声はモールドが外せるようになってからの

 状況次第になること。

 

 

気道が確保できたと聞いた瞬間は

 

「本当ですか!?」

 

と確認して、

先生から「はい」と返事をもらうと

私と妻は思わず笑顔でお互い見つめ合った。

 

難しい手術だったようだが、

無事に手術を終え本当に安心した。

 

 

生まれて2カ月後、

肺炎で呼吸困難になり気道が塞がった時は、

1カ月もすれば治るはずが……

 

2カ月経ち、気管切開の手術を行い、

早ければ2、3週間で治る予定が

2、3カ月経ち、

2、3年経ち、

7年が経過。

 

見通しの立たない状況が続き、

手術も困難なものだったが、

ついに口からの気道が確保された。

 

手術を成功させてくれた先生が

神様のように思える。

 

面談を終える時は、

再度先生に深々と頭を下げた。

 

「ありがとうございます」

 

 

それから間もなく、手術室から息子が出てきた。

 

まだ麻酔が効いているようで眠ったままだ。

首には包帯がぐるぐる巻きにしてある。

 

「しょうちゃん、頑張ったね」

 

息子の手を握ると、涙がこぼれてきた。

  

続く...。

 

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