息子が生まれてからの物語46話目。
前回の続き。
『息子の誕生』←ここからスタートしてます。
2003年11月、
口からの気道確保の手術を終えて3カ月。
開通した気道には、
塞がらないようモールドが入っている。
3カ月経過し、気道の形も整い
モールドを取り除くことになった。
いよいよ口から肺まで空気が通るようになる。
今回、同時に気管孔拡大の手術も
行うことになった。
気管孔は赤ちゃんの時に気管が塞がり
気道確保のために首の下の方に開けた穴。
気管孔拡大の手術は1年半振り二度目。
息子の体も大きくなり、
それに合わせての手術になる。
気管が開通し、
口や鼻から呼吸できるようになる見込みだが、
生後2カ月しか、口や鼻から呼吸していない。
7年間気管孔からしか呼吸していなかったので、
当面は気管孔も重要な呼吸経路になる。
11月5日に入院、
10日にモールド抜去と気管孔拡大手術を行う。
これで、いよいよ
口や鼻から呼吸ができる。
声は出せるのかな~。
期待と不安で胸がいっぱいになる。
手術はこれまで何度も行い、
手術後の息子の状態は
いつも痛々しく、見るに忍びない。
でも、これで最後だ。
しょうちゃん、頑張って。
手術は無事成功。
息子の首にはいつものように包帯が巻かれ、
首の下の気管孔にはTチューブが入っている。
麻酔から目覚めた息子は、
苦しそうだ。
「しょうちゃん、
頑張ったね。
これで口から息できるよ」
モールドが外され、
口や鼻からの気道が開通した。
息子はどんな感じなのだろう?
呼吸経路が変わっても見た目は変わらない。
それから9日後の
11月19日に無事退院。
期待していた声はまだ出ない。
息子の声は、赤ちゃんの時の
かわいい泣き声しか聞いていない。
先生からは、声が出たとしても、
綺麗な声を出すのは難しいと言われている。
でも、何かあった時に、
泣いたり、驚いたりした声が出るだけでも
安心できる。
いつ声が出せるのだろう?
続く...。
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