お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

ダウン症・呼吸器機能障害・音声言語障害のある息子のお陰で、毎日を幸せに生きられるようになった学びと気づきを綴ります。

私の意識が向かっていたのは?

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ブランコを楽しむ息子・彰悟(8年前)

 

 

お葬式でお焼香して気づいたことです。

 

1年前に、

家族みんなでお葬式に参列しました。

 

お焼香の順番が来たので、

焼香台の前へ行こうと

息子に声を掛けます。

 

「彰ちゃん、こっちよ」

 

息子も立ち上がり、

私と一緒に進み出します。

 

お葬式は厳粛な場です。

 

息子なりにきちんとしてもらおうと

息子の背中に手を添え誘導します。

 

すると、

息子は私の手を払いのけ、

抵抗し始めます。

 

あっ、

また抵抗が始まった。

 

そう思いましたが、

今は、厳粛なお葬式の場です。

 

人様も見ている、

ここはきちんと

焼香してもらわねば。

 

息子に

「彰ちゃん、ちゃんとしようね」

と言い、誘導します。

 

すると

息子の抵抗が激しくなります。

 

「彰ちゃん、こっちよ」

 

強引に誘導すると

私の焦りに比例して

息子の抵抗はますます激しくなり、

 

ついに

自分の席に、逆戻り。

 

困った子だなぁ〜。

 

でも私もやるだけのことはやった。

皆さんも、わかってくれるだろう。

 

人から見ても

共感してもらえるだろう。

 

という気持ちもあったので

息子のお焼香はあきらめました。

 

 

それからしばらくして、

思い出したことがあります。

 

8年前に

家族でお葬式に参列した時のこと。

 

息子は周りの様子を

じっ〜と観察していて

教えてもいないのに

順番通りに進み、お焼香していました。

 

 

そうかっ!

 

 

「ぼくは自分でお焼香できるよ。

 

 お父さん、ぼくを信頼してよ。

 

 なんでぼくを信じてくれないの!」

 

息子はこう言っていたんだと

気づきました。

 

 

8年前、息子は15歳。

今よりもまだ幼い感じで

(今も幼い感じですが)、

私は今よりも息子の行動に

執着がなかったようです。

 

当時はお葬式の場だけど、

お焼香してもしなくても

好きなようにしていいよ。

 

という心境だったような気がします。

  

1年前のお葬式では息子は22歳。

 見た目も多少は大人になった感じです。

 

息子の気持ちを感じるよりも、

息子を信頼することよりも、

人からどう思われるか?

に意識が向かっていました。

 

息子と生きた22年間で、

息子を心から尊敬し、信頼している

と思っていましたが、

 

この出来事を通じて

私の息子に対する想いの浅さに

気づきます。

 

同時に、

もっと息子の気持ちに寄り添おう。

もっと息子を信頼しよう。

と思えました。

 

 

 

息子は

何も言わないけれど、

何も言えないけれど、

私の心を映し出してくれます。

 

私にたくさんの

気づきと学びを与えてくれる

息子・彰悟に心から感謝しています。

 

 

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