お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

ダウン症・呼吸器機能障害・音声言語障害のある息子のお陰で、毎日を幸せに生きられるようになった学びと気づきを綴ります。

『選べなかった命  出生前診断の誤診で生まれた子』

『選べなかった命 

出生前診断の誤診で生まれた子

選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子

 

タイトルに惹かれて読んだ本です。

 

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はじめに・私の人生を導いてくれた天使のような息子

 

出生前診断でダウン症ではないと診断されて、

生まれた子が、ダウン症。

 

母親が医師を提訴した。

 

どういうことだろう?

 

誤診をすること自体、考えれないことですが、

(二枚ある検査レポートの一枚しか見ていなかったという医師の初歩的なミスだった)

私には、生まれた子がダウン症で、

医師を訴えるとは考えらませんでした。

 

ですが、本を読み、

訴えるに至った理由に納得。

 

ダウン症で、いくつかの合併症が重なり

苦しみの中、3か月半で短い命を終えます。

抱くこともたった一度しかできませんでした。

 

ダウン症でも、合併症が重なり

この短い期間で命を落とすことは

ほとんどありません。

 

ダウン症でなくても、

短命な場合もあります。

 

でも、

母親はダウン症だとわかっていたら

生まなかったかもしれない。

そしたら、

この子はこんなにも苦しい思いをせずにすんだ。

医師に対し、

亡くなった我が子へ謝罪して欲しい。

 

その想いで、

最終的に裁判で訴えることになります。

 

ダウン症だとわかっていたら中絶したか?

という裁判での問いに対しては、

「中絶していた蓋然性が高い」とし、

母親は、中絶したとは言い切れません。

 

母親(父親も含めて)が

ダウン症だとわかったうえで、

自分で産むか産まないかを選べれば、

こんな状況にはならなかったのでしょう。

 

私も妻も、息子が産まれる時に

出生前診断ができていて、

ダウン症だとわかっていたら、

息子を産むか、あきらめるかは

おそらくギリギリまで悩んだと思います。

正直、どういう結論を出したかは

わかりません。

 

今は、私にとって息子は

世界一かわいくて、尊敬もしていて、

息子のお陰で私の生き方も変わり、

息子がいない人生は考えられませんが。

 

先月、

出生前診断、全妊婦可能に

というニュースがありました。

 

現在、35歳以上などに限っていた出生前診断を

今後は全妊婦に認める指針を

日本医学会が公表しました。

近い将来、そうなりそうです。

 

『選べなかった命』の中にも

書いてありましたが、

出生前診断で染色体異常となった場合、

様々な問題がでてきます。

 

・法的には胎児の障害や病気を理由に中絶はできない。

(出生前診断は予め心の準備をすることが目的)

・刑法(堕胎罪)では、妊娠したら必ず産まなければならず、中絶は懲役刑となる。

・母体保護法で中絶を認められるケースがあるが、それは、身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるものに限る。

・出生前診断で染色体異常が認められた場合の中絶は、障害を抱えた子どもを育てていく経済力がないため、あるいは、障害を抱えた子育てをすることで精神的な影響があるとの理屈で、母体保護法を援用した法的にはグレーゾーンでの中絶であること。

・染色体異常を検査する羊水検査は妊娠16週に以降に行われ、12週以降の中期中絶は、法律上死産になり、死亡届も埋葬も必要になる。

・妊娠22週未満の胎児は、肺ができておらず呼吸できないが、生れて10分から20分は心臓が動いていることも少なくない。人口死産に対する医療スタッフの強いストレスもある。

・優生思想にもつながる(秀でた能力を持つ者の遺伝子を保護し、劣悪な遺伝子を抑制すべきだという考え方。旧優生保護法下での強制不妊には、国家賠償の判決が出ている)

・我が子の命の選択を迫られる母親(父親)の精神的な問題

・そもそも出生前診断で命の選別をしていいのか?

 

命や障害は誰にでも起こりうる問題です。

簡単に結論が出る問題ではありませんが、

私たち一人ひとりが考えて行く必要のある

課題だと思います。

 

私もむさぼるように読んだ

『選べなかった命 

出生前診断の誤診で生まれた子

 

私もこの本を読んで知ったことも多く、

この裁判だけでなく、

ダウン症の子と共に生きる家族、

出生前診断ができずにダウン症の子を産んだ母親、

無脳症の子とわかって生んだ母親、

優生保護法下で強制的に不妊手術を受けた人、

医師や助産師、ダウン症の当事者など様々な方の

取材を通して、命や障害に真正面から向き合った

深く考えさせられる本です。

 

著者の河合香織さんにも

深く敬意を表したいと思います。

 

一人でも多くの方に読んでいただき、

一緒に考えて欲しい本です。

 

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