お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

ダウン症・呼吸器機能障害・音声言語障害のある息子のお陰で、毎日を幸せに生きられるようになった学びと気づきを綴ります。

息子の存在と私の転勤

息子が生まれてからの物語28話目。

前回の続き。

『息子の誕生』←ここからスタートしてます。

  

人事異動の発表後、

人事部から私宛に電話があった。

 

なんだろう?

 

「田中、元気にしてるか?」

 

聞き覚えのある声だ。

 

「俺、わかるか?」

 

そうだ!

前の支店の時の先輩だ!

 

仕事もよくできて、

融資業務などわからないことを聞くと

いつも丁寧にわかりやすく教えてくれていた。

 

今は人事部にいたんだ。

 

「はい! 

 どうされたんですか?」

 

「うん、

 人事異動の通達見た?」

 

「はい。見ました。

 ビックリしましたよ。

 2年3カ月の異動で、

 福岡市内の大型店ですよね」

 

「うん、そうなんよ。

 お前、お子さんが

 大変なんやろ」

 

「はい。そうなんです。

 ダウン症と気管切開で

 毎月、福岡のこども病院に

 通っているんですよ。

 入院も度々していて」

 

「うん、人事部でも何とか

 してあげたいと思ってね」

 

「えっ!」

 

私の息子のことは

支店長はよくわかっていて、

人事部に事情を話してくれていたようだ。

 

そして、私と家族への配慮として、

2年3カ月という短い期間で福岡市内に

転勤させてくれることになった。

 

「そうだったんですか。

 そこまで考えて

 くれるんですね。

 ありがとうございます」

 

「うん。

 全員のことをそこまで

 考えて異動することは

 普通はないけどね。

 特別だよ」

 

「そうなんですね。

 こども病院も近いし、

 通院も助かります」

 

銀行がここまで考えてくれるとは

思ってもいなかったので、

本当にありがたいと思った。

 

折角の機会なので、

厚かましいとは思ったが、

人事部の先輩に尋ねてみた。

 

「息子はずーっと こども病院で

 診てもらうことに

 なりそうなんですけど、

 ずーっと福岡市内での

 転勤にしてもらえますか?」

 

「それは難しいかもね。

 しばらくは、

 福岡市内とは思うけど、

 ずーっという訳には

 行かんやろうね。

 いずれは遠い支店に

 行くこともあると思うよ

 

「はぁ。まあ、そうですよね。

 でも、

 ありがとうございます!」

 

 

妻に福岡へ転勤の話をすると

私と同様、ビックリしながらも喜んでくれた。

 

そのすぐ後に、息子の2歳の誕生日を迎えた。

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息子の2歳の誕生日

 

この時はまだ気づかなかったが、

息子の存在によって

私の仕事が大きく変わっていく始まりだった。

 

続く…。

 

 

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