お父さん、気づいたね! 声を失くしたダウン症の息子から教わったこと

ダウン症・呼吸器機能障害・音声言語障害のある息子のお陰で、毎日を幸せに生きられるようになった学びと気づきを綴ります。

「何でぼくは声が出ないんだろう?」口を動かす息子

息子が生まれてからの物語49話目。

前回の続き。

 『息子の誕生』←ここからスタートしてます。

 

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はじめに・私の人生を導いてくれた天使のような息子

 

もう口から呼吸することはできない。

もう声を出すことはできない。

 

息子の状況は受け容れられるようになった。

 

でも、

息子の姿を見て一番辛かったのは、

別のことだった。

 

息子が急に口をパクパク動かし始めた。

 

みんな声を出して

お話ししているのに、

何でぼくは声が

出ないんだろう?

 

そうだ!

 

みんなは口を

動かしている。

 

ぼくも口を動かしたら

声が出るかも!

 

息子がそう思っているように感じた。

 

それまで、

口を意識的に動かしている息子を

見たことはなかった。

息子の声を出したいという欲求も

感じたことはなかった。

 

学校で友達と過ごす中で、

気づいたのだろうか?

 

自分だけが声が出ない状況に気づき

声を出そうとしているように思えた。

 

息子の口の動きは、毎日のように続く。

 

なかなか声が出ないなぁ。

頑張ろう。

 

息子の思いが伝わってくるようだった。

 

息子に声が出せる希望があれば、

 

もう少ししたら、

声が出せるようになるよ。

待っててね。

 

と思えた。

でも、もう、希望はない。

 

しょうちゃん、

ごめんね。

 

声が出せるようにできなくて

ごめんね。

 

私も妻も胸が張り裂けそうで

いたたまれない。

 

手術後の苦しそうな息子を見ていても、

この時期を過ぎれば、痛みもなくなり、

治ると思えれば耐えられた。

 

でも、息子の、

みんなと同じように声を出したい

という姿を見ても、

どうすることもできない。

 

 

息子が口をパクパクする動きは数か月続く。

 

 

そして、口の動きがピタリと止まる。

 

ぼくは声が出ないんだ。

ぼくはみんなと違うんだ。

 

息子は悟ったようだった。

 

しょうちゃん、

気づいたんだね。

ごめんね。

 

 

それから数年して気づいたことがある。

 

私は声が出せない息子を

かわいそうだと思っていたこと。

 

息子は声が出せない自分に気づいただけで、

それに幸・不幸の判断をしていないこと。

事実をそのまま受け容れていること。

 

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特別支援学校で自転車に乗る息子


続く...。

 

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