前回の続き。
昔の私は、
「知的障がい」というと、
何か劣っているという偏見を持っていました。
でも、息子と過ごす中で、
今は、劣っているのではなく、
「違い」をそう表現しているだけ
と思うようになっていきます。
世の中の多くの人は、
みんなが共通していることや
共通して持っている認識が
普通であり、正常だと思っている。
障がいは、
一般の健常者と言われている人が多数なので、
その違いをわかりやすく定義している。
今はそう思っています。
極端に言えば、
勉強ができる、できない。
スポーツができる、できない。
音楽や絵画ができる、できない。
と同じような感じです。
持って生まれたものもあるし、
そのことによって人として価値が
変わるわけでもありません。
最近読んだ本『ぼくはエネルギー体です』で
印象に残った箇所を紹介します。
著者は神原康弥さん。
2歳半で脳症と告げられ、生死をさまよい、
重度障がい者へ。その後、筆談、指談という
コミュニケーションを会得します。
障がい者は、言葉をもたない。
もっていたとしても、思っていることをすべて表現することは難しい。周りの人間の気持ちも十分理解している。知的障がいがあると、理解能力が四、五歳程度と判定されることが多いが、それは医学のなかの話であって、その人その人の魂のレベル、精神性は、今の社会では理解することも測ることもできない。測ることができないものを、人は想像できない。障がいが重ければ重いほど、意思は、理解されない。それは、ぼくのような人間にとって、一番悲しい問題だと思う。
人の評価は、ときにその人を苦しめることもある。自分の脳力、自分の可能性は誰も測ることはできない。わかっているのは、自分自身だけだ。自分を信じたほうが、可能性は広がる。
息子も言葉を持たず、
自分の思いを伝えることは難しいです。
理解されず、悲しいこともあったと思います。
でも、息子は
私には感じることのできない世界
私の認識を超えた世界と繋がって、
自分の人生を存分に生きている。
私のような偏見がない分、
自分の心や魂に沿って純粋に生きている。
数々の試練を乗り越え、
私を遥かに上回る人間性を持っている。
そういう視点を与えてくれて
ある意味、私を偏見から救ってくれた息子。
本当に有り難く、幸せです。
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主催:笹木郁乃さんのFacebookグループ
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